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Vol.05

秋は気候的に涼しくなり、体を動かすことに最適であるこ とから、「スポーツの秋」と呼ばれ、運動会や登山など体を動かす機会が多くなります。 しかし、普段あまり運動をしない人が無理をしてけがをすることが多く見られるのもこ の時期です。 特に運動会では、運動不足のお父さん達が家族の前でカッコいいところを見せようとはりきったり、学生時代などでスポーツを経験した方が、そのときの感覚で 無理をしたりして体が動かずにつまずいたり、転んでしまい、けがをしてしまうようです。さらに重度にな ると、死に関わるような大きな事故も起こりかねません。今回は(特に運動会の徒競走)その原因や対策を詳しく説明していきたいと思います。


運動障害の内容

運動障害はさまざまなものがあります。内容としては、
〇内科的障害
〇整形外科的障害

に大きくわけられます。

1.内科的障害

スポーツ学的には、急性の場合と慢性の場合がありますが、今回のテーマの 場合では急性障害を採り上げます。 急性障害は、突然死(急性心筋梗塞、急性心機能不全など)や熱中症(熱けいれん、熱失神、熱疲労、熱射病)や過換気症候群(過呼吸)があります。 少し特有の障害では、運動誘発アナフィラキシー(特に食物アレルゲンによるもの)もあげられます。

2.整形外科的障害

今回のテーマに沿った形で説明すると、運動会の徒競走や登山では足を使っ た動作が多いため下肢に多く見られます。 下肢に多い障害を下の表にまとめてみました。

障害起こりうる主な動作症状
転倒時出血、すり傷になる
ねんざ走行時痛みや少しの腫れがある
肉離れ走行時過度な筋収縮で筋が損傷する
骨折転倒時、走行時強い衝撃で骨が折れる
じん帯損傷着地時、ジャンプ時ねんざがひどい状態で、かなり腫れる
アキレス腱断裂着地時、ジャンプ時アキレス腱が断裂する

重症になるとその後の私生活にも影響が出ます。十分注意して運動に臨みましょう。

運動障害の原因

先にもあげましたが、普段運動をしないで急に行うことが 障害の一番の原因になります。
運動をしていないと衰える場所は、筋肉神経系になります。

1.筋肉の衰え

走るときに重要な筋肉の1つに腸腰筋というインナーマッスルがあります。腸腰筋は姿勢をキープする、脚を前に持ち上げるといった動作で使われる筋肉です。 ここが運動不足に伴い衰えると、走ったときに体がぐらついてしまい、脚が十分に上がらないので転倒しやすくなります。

また下肢の筋群の衰えが、ねんざや肉離れの原因になります。大腿四頭筋(太もも)、ハムストリングス(太ももの裏側)、下腿三頭筋 (ふくらはぎ)が走る上での主な下肢の筋肉になります。普段走ることや歩くことを生活活動であまり行わない方はこれらの筋肉が衰え ているため、障害が起こりやすくなります。

2.神経系の衰え

脚を素早く交互に持ち上げる、後ろに蹴り出すといった一連の動作に必要な 神経系統は、使わなければその分衰えていきます。普段、走っていない人が急に走ると脚がもつれたりするのはこのためです。

普段運動を怠っていると、走るための筋肉や神経が衰えてしまいます。また、走りに自信がある人ほど、無理をしてしまう傾向もあるようです。 次はこのようにならないための対策を見て行きましょう。

運動障害への対策

筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)
ストレッチング
〇実際に競技を練習

対策は以上があげられます。 仕事に家事に忙しい日常生活の中では、なかなか競技の練習はできないと思います。ですので、まずは室内でも気軽にできる筋力トレーニングから始めてみま しょう。

1.筋力トレーニング(レジスタンストレーニング)

そのイベントの日までに行うことになります。1~2ヶ月前から行うことが よいとされていますが、お仕事などで時間が取れない方が多いと思います。2週間前 からでも効果はありますので、なるべく少し時間を取ってやってみましょう。 習慣化することで、筋力の向上や結合組織の強化、エネルギー消費量の増加なども期待できますので、続けてみるのも良いのではないかと思います。 具体的なトレーニングとして次の3つをお勧めします。

<その場もも上げ>

背筋を伸ばしてまっすぐ立ちます。太ももをゆっくりと上げ、床と平行になるくらいの位置で止めます。 1秒間この形を保持して元に戻ります。左右交互にこれを繰り返します。50回程度行うと効果的です。 腸腰筋が衰えている方は20~30回でもかなりきつい運動です。衰え度をチェックすることもできます。

<スクワット>

脚は肩幅よりやや広めに開き、つま先を外側に向け、足の裏全体に体重をかけます。腕は肩の高さで伸ばし、姿勢を保ったまま太ももが床と平行になるまで、ひざをゆっくりと曲げていきます。その際、ひざがつま先より前に出ないようにしましょう。 曲げる動作に合わせて息を吸います。上体を保ったまま下肢をゆっくり伸ばして元に戻ります。伸ばす動作にあわせて息を吐きます。

<フォワードランジ>

脚は肩幅に広げ、つま先を前に向けて体重を足の裏全体にかけます。 手を腰に置き正面を見て、息を吸いながら片方の脚を前方に踏み出します。 体重を踏み出した足の裏全体にかけ、バランスを取りながら腰を真下に下げていきます。後ろ脚のひざが床から5cmくらいの距離になるまで腰を下げます。 息を吐きながら踏み出した脚で床を蹴り、体重を後ろに移動させて最初の姿勢に戻ります。

※健康運動実践指導者養成者用テキストより引用

2.ストレッチング

主にそのイベントの当日行うことになります。一般の人が健康づくりのため にストレッチングを行う場合の主な目的は、①疲労回復、②柔軟性の向上、③ウォーミングアップあるいはクーリングダウンなどがあげられます。

当日のストレッチングになりますので、筋や関節がスムーズに動くようにするウォーミングアップが主な目的となりますが、疲労回復にも効果があるため、競技後のクーリングダウンで行うことも合わせてお勧めします。

注意点としては、ウォーミングアップでは反動をつけずにゆっくりと筋や腱を伸張し、その状態をしばらく維持するストレッチング(静的ストレッチングという)は逆に筋や腱を痛める危険性があります。ですので、筋や腱を動かしながら伸張させるストレッチング(動的ストレッチングという)を行うことが良いとされています。 逆にクーリングダウンでストレッチを行う際は、リラックスした状態で静的ストレッチを行うことが良いとされています。

運動前の具体的な軽いストレッチングをご紹介します。以下と合わせてアキレス腱伸ばしも行いましょう。

※健康づくりのための運動指針2006(厚生労働省) より引用

やはり大切なことはけがをしないことです。一番の目的は運動会やレジャー を楽しむことですので、無理をしないように心がけ、楽しい1日にしましょう。