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Vol.09

暴飲暴食とは、度を過ぎて飲食すること、むやみに飲んだり食べたりすることです。暴飲暴食は日常生活において健康(特に身体)を害する要因の一つになります。開放感のある週末や年末は特に注意した方がよいでしょう。


暴飲暴食の原因

原因は、単に食事が楽しくたくさん食べてしまう場合もありますが、多くの場合はストレスにあると考えられます。
中でもダイエット中で食事を制限し、空腹に耐え切れずに思わず食べ過ぎてしまったり、普段の生活で心理的ストレスがあり、普段から食べることが好きな方が食べることでストレス発散をしてしまうなどがあります。
これらは決して珍しいことではありませんが、次第に食べることに思考がとらわれ、一度食べだすと止まらない、お腹が空いているわけではないのに食べずにはいられないというようになります。
さらに暴飲暴食を繰り返す自分が嫌で堪らず、そのことがストレスになって暴飲暴食のスイッチが入ってしまうという悪循環を繰り返します。

摂食障害

暴飲暴食と関係のある摂食障害についてまず説明しておきます。
摂食障害とは極端な食事制限(ダイエット)や、過度な食事の摂取を繰り返すなど食事量のコントロールができないために、心身ともに健康に深刻な影響をおよぼす病気のことです。
主に、食べることがやめられない「過食症」、食べることができない「拒食症」、過食でも拒食でもない「特定不能」の3種類に大別され、「過食症」の中には「過食のみを繰り返す場合」と「過食と嘔吐を繰り返す場合」があります。
今回は暴飲暴食に関係の深い、「過食症」について説明いたします。

過食症

「過食症」は、食欲をコントロールできずに、必要以上に多い食事を繰り返す病気です。
先ほども述べましたが、摂食障害の1つであり、「過食のみを繰り返す場合」と「過食と嘔吐を繰り返す場合」の2パターンに分かれます。神経性大食症とも呼ばれ、ストレスが原因で起こるが多く、また逆に過食によるストレスから精神障害を引き起こすケースもあります。

1.過食のみを繰り返す過食症

嘔吐や下痢などを伴わず、食欲をコントロールできない状態で過食を繰り返す過食症は別名むちゃ食い障害とも言われます。短時間で大量の食品を食べ、あまり時間をおかずにまた過食するというサイクルを繰り返すため、精神的・肉体的にストレスがかかり、さらに過食がエスカレートする悪循環におちいるのが特徴です。嘔吐をしないためカロリー過多で肥満になるケースが多く、比較的周囲が気づきやすいといえます。そしてむちゃ食い障害が続くと脂肪肝など様々な健康被害を引き起こします。また、食べてはいけないと分かっているのに止められない自分に強い自己嫌悪を感じ、引きこもりの生活に陥るなど精神が不安定になる傾向があります。

2.過食と嘔吐を繰り返す過食症

過食と嘔吐を繰り返す過食症は、過食症状が始まると我を忘れて食べ物をつめこみ、食欲のコントロールができなくなります。そして過食してしまった後、食べすぎた自分を責め、気持ちが落ち込んで抑うつ状態に陥り、太りたくない一心から口に指を入れて嘔吐をし、食べた分を「なかったこと」にしようとします。拒食症のように低体重のケースもありますが、見た目には少し痩せている程度のケースも多く、気づかれにくいのが特徴です。最初は苦しい思いをして吐いても、身体が慣れると次第に楽に吐けるようになって習慣化し、食道に炎症をおこす、胃酸で歯がボロボロになる、などの合併症を引き起こします。

過食を防ぐ習慣

過食症などのひどい症状の前に、自分が過食傾向に陥っていることに気づい たら、まず実践したい生活習慣ご紹介します。

1.時間をかけてよく噛んで食べる

下図のように空腹感を感じるときはさまざまな要因がありますが、満腹感を感じるまでには時間差があり、ゆっくり噛んで食べると少量の食事でも満腹中枢が刺激され、食べすぎを防ぐことができます。一口30回以上を目標によく噛んで食べましょう。また時間をかけて食べることで、消化器官の負担を減らすこともできます。

2. 腹7~8分目を目安に食べる量を抑える

1回の食事量が多いと、食欲が暴走しがちになります。お腹がいっぱいにな らない程度の腹7~8分目を心がけ、1回の食事量は少なめにしましょう。
1回の食事量を極端に減らしたり、欠食したりすると逆効果になります。朝食、昼食、夕食を少しずつ少なくし、量やカロリーを抑えましょう。

3. 朝食の欠食は避ける

朝食を抜くと、長時間栄養が体内に入らず、その後に食事を摂った時に食べ 過ぎる傾向が見られます。朝食をしっかりバランスよく摂ってお腹を目覚めさせ、その後の食欲をコントロールしやすくします。
朝食はご飯やパン単体で済ますのではなく、納豆や卵といったたんぱく質も摂るようにすると、消化もゆっくりで腹持ちもよく、一層食欲をコントロールしやす くなります。

4. 運動をする

運動は、血糖値をコントロールするホルモン(アドレナリン)の分泌を促 し、食欲を抑制する効果があることが分かっています。
食欲を抑制する効果は、無酸素運動よりも有酸素運動の方が高いと言われています。楽しみながらできる運動を見つけ、定期的に体を動かすようにしましょう。

水分の摂りすぎ

1. 水分

水分は人間にとって必要不可欠なものです。特に暑い夏は、不足すると脱水 症状をおこし、体温を調節する汗が出なくなり、体温が上がってしまいます。その結果、熱中症を引き起こしてしまいます。
しかし、摂りすぎには注意が必要です。過剰に摂取した場合も、内臓に負担をかけ、体がだるくなったり消化不良を起こしたりすることがあります。 また、体内のナトリウム、カリウムなどの電解質のバランスが悪くなり、けいれんが起こったり、意識がなくなったりする場合があります。

2. アルコール、カフェインを含む飲料

暴飲暴食の例としてよく上げられるのが、アルコールの摂りすぎです。アルコールには利尿作用があるため、飲み過ぎると脱水状態になります。 利尿作用は、身体の水分を調整する抗利尿ホルモン(バソプレシン)の分泌が抑制されることで生じます。抗利尿ホルモンの分泌が抑制されると、体内の水分が 尿として排出されやすくなり、脱水の原因となります。
アルコールと同じく利尿作用があるカフェインを含む飲料も注意が必要です。コーヒーが代表的ですが、緑茶や紅茶、ウーロン茶にも含まれています。アルコー ルと同じく飲みすぎると脱水状態になります。 どちらもストレス解消、気分転換にはよいものです。適量を守り、おいしくいただきましょう。