食中毒について

Vol.03

食中毒とは、有毒な原因物質を含む飲食を摂取することによって引き起こされる腹痛・下痢・嘔吐・発熱を症状とする疾病の総称です。
夏になると増えるような印象がありますが、原因によって発症時期は様々です。

今回の「健康豆知識」のコーナーでは、食中毒について取り上げます。
・ 食中毒の分類。特に細菌性食中毒については詳しく分 類しています。
・ 食中毒の発生状況。
・ 食中毒発育の3要素、食中毒予防の3原則


食中毒の分類

食中毒の発症原因は大きく3つあります。

  • 細菌性食中毒   → 食中毒菌が食品の中に混入して起こる。
  • ウイルス性食中毒 → ウイルスが蓄積している食品の飲食、人の手を介して起こる。
  • 自然毒食中毒   → フグや毒キノコ、カビなどの動物性・植物性の毒によって起こる。

この中で一番多い食中毒は、細菌性食中毒です。

主な細菌性食中毒の種類

細菌性感染型食中毒 (細菌に感染した食品を摂取し起こる食中毒)
食中毒菌名主な原因食品予防のポイント
カンピロバクター鶏肉・生食と調理した肉は別保存。
・十分な加熱。
サルモネラ生卵
生肉(鶏肉)
・卵は冷蔵庫保管。
・75℃1分以上の加熱。
ウェルシュ菌カレー、シチュー などの煮込み食品・十分な加熱。
・短時間冷却、低温保存。
腸炎ビブリオ魚介類(生食)・真水で洗浄。
・低温保存。
病原性大腸菌井戸水
牛肉
・75℃1分以上の加熱。
・手指、調理器具の消毒。
細菌性毒素型食中毒(食品内で細菌が産生した毒素を摂取し起こる食中毒
食中毒菌名主な原因食品予防のポイント
黄色ブドウ球菌おにぎり
牛乳
・手指の消毒。
ボツリヌス菌缶詰・十分な加熱。
・低温保存。
セレウス菌チャーハン、ピラフ などの穀物加工品・大量調理や室温放置をしない。
・低温保存。

食中毒の分類

食中毒の発生状況は1年中同じではありません。また、年 によっては、企業の不祥事による食中毒事件が起きることもあります。 おおよその傾向では、寒い時期に食中毒は少なく、4月、5月と暖かくなるにつれ多くなり、7月から9月にかけての夏場に最盛期を迎えるといわれています。 フグやキノコなどによる食中毒(自然毒)も季節と関係があり、キノコは秋(10月)、フグは冬(10~12月)に多いとされています。 しかし、平成19年ごろからノロウイルスによる感染症と食中毒が猛威をふるいました。ノロウイルスはこれまで比較的安全とされていた11月から3月という 冬期に多発し、保育園、学校、高齢者施設などで集団感染が起こります。

細菌性の事件数は減少傾向にある中で、カンピロバクター食中毒の発生件数はそれと逆行するように増加し、事件数では1位となっています。 ノロウイルスは食中毒としてだけでなく、食品から人へ伝播する感染症として強い感染力を持つため、患者数が多くなりやすく近年増加傾向にあります。

食中毒発育の3要素

栄養分
食品や残菜は細菌の栄養になります。調理器具類についた食品や汚れも細菌の栄養となります。高タンパク質食品は、細菌にとって最良の栄養源です。

水分
細菌は水に溶けている栄養分を分解して摂取するため、水分のない食品では増殖することはできません。水分を抑えることができれば、微生物の増殖も防ぐことができます。

温度
細菌の増殖には温度が最も大きな要素となります。すべての細菌はそれぞれ増殖に適した温度(至適温度)と、増殖温度範囲があります。一般に15~40℃が適温体で、35℃前後でよく増殖します。

食中毒予防の3原則

つけない
細菌をつけない対策として、作業開始時や作業変更ごとに手洗いをし、食材に直接触れる場合は衛生手袋を着用する。また、食材ごとに手、包丁、まな板、調理機器、調理器具を確実に洗浄・除菌・乾燥し、食材ごとに調理器具を使い分ける。などを確実に行うことにより、食材への二次感染が予防できます。

ふやさない
細菌の発育適温体は20~50℃です。この温度を避け、低温域または高温域のいずれかで保管しましょう。
冷蔵庫:10℃以下 冷凍庫:-15℃以下 温蔵庫:65℃以上

やっつける
調理食品は中心部温度を75℃1分以上加熱することで、ほとんどの細菌は死滅します。(ノロウイルスは85℃90秒以上)逆に冷却して死滅することはありませんので誤解しないようにしましょう。また、薬剤による殺菌もあります。エタノール製材や塩素・酸素系除菌漂白剤、逆性石鹸などを必要に応じて使用することも有効な方法です。

家庭でできる食中毒予防

上記の予防3原則は一般的な家庭では困難なものもありますよね。このコーナーでは、家庭で簡単にできる食中毒予防についてお伝えします。

皆さん、これからの時期に増えるであろう食中毒を予防するための知識は身につきましたでしょうか。
予防はしても、かかってしまうことはあります。その場合は水分摂取を心掛けて脱水を予防することが大事です。症状がひどいと感じた場合は、早めに病院を受診するようにしましょう。