熱中症について

Vol.04

熱中症とは、熱失神・熱けいれん・熱疲労・熱射病の総称で、高温多湿の場所に長くいることで、徐々に体内の水分と塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がう まく働かなくなり体内に熱がこもった状態を指します。
夏の強い日射しの下で激しい運動や作業をする時だけでなく、身体が暑さに慣れない梅雨明けの時期にも起こります。また屋外だけでなく、高温多湿の室内で過 ごしているときにも見られます。

今回の「健康豆知識」のコーナーでは、熱中症について取り上げます。
・ 熱中症の症状。
・ 熱中症を引き起こす要因。
・ 熱中症の予防。


熱中症の症状と分類

分類症状重症度
Ⅰ度めまい・失神
立ちくらみのことで「熱失神」とも呼ばれます。
筋肉痛・筋肉の硬直
筋肉のこむら返りのことで「熱けいれん」とも呼ばれます。
大量の発汗
軽度
Ⅱ度頭痛・気分の不快・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感身体がぐったりする、力が入らない状態で、「熱疲労」と呼ばれていた状態です。中度
Ⅲ度意識障害・けいれん・手足の運動障害
呼びかけや刺激への反応がおかしい、ガクガクとひきつけがある、まっすぐ走れない・歩けないなど。
高体温
身体に触ると熱いという感触です。従来から「熱射病」と呼ばれていたものがこれに相当します。
重度

熱中症の要因

要因

熱中症を引き起こす2大要因として、「環境」によるものと「身体」によるものがあります。これらの要因が重なった時に熱中症が起こりやすくなると考えられています。

環境気温や湿度が高い。通気が悪い、風が弱い。日射しが強い。
身体の状態激しい運動などでたくさん熱が産生された。暑さに体が慣れていない。睡眠不足や疲れ、病気で体調が良くない。水分、塩分が不足している。

かかりやすい時期

8月の日中、最高気温が高くなった日に熱中症の患者数が増加しています。また熱帯夜が続くと、夜間も体温が維持されてしまうため、熱中症が起こりやすくなります。
梅雨の晴れ間や、梅雨明けの蒸し暑くなった時期にも熱中症は多く見られます。
この時期は身体がまだ暑さに慣れていないために上手に汗をかくことができず、体温をうまく調節できないからです。

かかりやすい方

乳幼児
大人と比べ、新陳代謝が活発で体温が高めですが、汗腺の発達が未熟なためうまく体温調節をすることができないためです。晴れた日に外出するときは特に注意が必要です。晴れた日は地面に近いほど気温が高くなりますが、乳幼児は背が低く、地面からの距離が近いためです。

高齢者
高齢になると体の水分の割合が少なくなります。また、厚さやのどの渇きを感じにくく、水分を十分にとることが難しいこともわかっています。さらには、心機能や腎機能が低下しがちなため、熱中症になった時の症状がより重篤になりやすい傾向にあります。

肥満傾向の方
皮下脂肪が多いと体の中の熱を逃がしにくくなり、また重い身体を動かすためより多くの熱が発生するためです。

運動部の学生
屋外、屋内関係なく汗をかく運動部員は注意が必要です。特に1年生部員は環境に慣れていないため、気を付けなければいけません。

体調の悪い方
睡眠不足や疲れで体調不良の方、二日酔いや下痢で体内の水分が減っている方は、体温調節が普段通りに働かないため、危険性が高くなります。

持病のある方
糖尿病、高血圧、心疾患、腎疾患、精神・神経系の疾患、広範囲の皮膚疾患で治療を受けている人は、熱中症が発生しやすいことがわかっています。また、以前熱中症になったことのある人も特に注意しておきましょう。

死亡事故について

厚生労働省によれば、熱中症による死亡者は増加傾向にあります。特に65歳以上の死亡者が全体の8割弱を占めています(平成25年)
発生状況については7~18歳では学校での運動中、19~64歳では屋外での作業中を中心に様々な場所で、65歳以上では居室での発生が多いということが 特徴として挙げられます。

<引用>厚生労働省 熱中症関連情報
熱中症の死亡数-平成25年までの動向-

熱中症の予防

暑さをうまく避けて生活しましょう。

エアコンの温度設定目安としては、28度を超えないように設定しておくと安心です。冷気は部屋の下の方にたまりやすいので、扇風機やサーキュレーターを利 用して風を動かすと、 あまり室温を下げなくても涼しく過ごせます。
カーテンやすだれなどで直射日光を遮る、冷気を外に逃がさないなどの工夫もエアコンの効果的な利用につながり ます。

しかし、冷やしすぎはよくありません。室温の気温をあまり下げてしまうと、涼しい部屋から暑い屋外などに出たときに、急激な気温差に身体が適応できず、め まいや気分の悪さなどが 引き起こされることがあります。あまり設定温度を低くしすぎない(24度以下にならない)ようにしましょう。

こまめに水分補給をしましょう。

一般的に、人は1日約2,500mlを体内から失います(尿:約1,500ml、不感蒸泄:約900ml、便:約100ml)。
暑いときにはたくさん汗をかきます。汗をかくことは、からだの熱を逃がし体温が上がりすぎないように調節するために必要なことですが、汗をかけば体内の水分と塩分が失われることになります。それによって脳や体に酸素や栄養が届きにくくなるため、筋肉のけいれんや頭痛、吐き気、めまい、高熱をおこします。

予防するためにはこまめな水分補給が不可欠ですが、水分だけをとると塩分が不足して血液が薄い状態になってしまうため、塩分も一緒にとることが必要です。 コップ1杯(200ml)の水に、ひとつまみ(0.2g)の塩を入れた塩水か、ナトリウム40~80mg/100mlのスポーツドリンクがよいとされています。
(ただしスポーツドリンクには、多量の糖分が含まれている場合があります。糖尿病などの持病がある方は注意が必要です。)

代表的な清涼飲料水100ml当りの栄養成分
エネルギー(kcal)糖質(g)脂質(g)ナトリウム(mg)
ポカリスエット256.20.049
アクエリアス194.70.040
DAKARA174.40.040
ゲータレード256.30.051
経口補水液OS-1102.50.0115

500mlペットボトルに換算してみてください。ポカリスエットで計算すると糖質は6.2g×5=31g
(砂糖大さじ3と1/2に相当します。)

涼しく過ごせる服装にしましょう。

吸湿性、通気性のよい服を選びましょう。少しでも涼しく過ごすためには、汗を吸い、通気性のよい綿素材の衣類が適しています。近年、多く市販されている吸汗素材、速乾素材のシャツや、軽く涼しいタイプのスーツなどもおすすめです。首回りがしめつけられると熱がこもってしまうため、なるべくネクタイを外し、 襟元をゆるめて風を通しましょう。それだけでも体感温度は下がると考えられます。
暑いなら、「いっそ何も着ないで過ごすほうが涼しくていいのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、それは逆効果です。衣類は、汗を吸って蒸発させるのを助けるほか、直射日光の熱や紫外線から肌を守る役割も果たしています。

暑さ指数を活用しましょう。

暑さ指数(WBGT)は、熱中症を予防することを目的として提案された指標です。 単位は気温と同じ摂氏度(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。暑さ指数は人体の熱収支(人体と外気との熱のやりとり)に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。

注意が必要な暑さ指数の基準 は個人の生活強度によって異なりますが、28℃を超えると熱中症患者が著しく増加するといわれています。
以下のホームページで暑さ指数の実況と予測がチェックできますので、外出やスポーツの予定などある方はチェックしてみましょう。

※外部サイトへアクセスします(新しいウィンドウ、又は新しいタブで開くようになっています)

かかってしまったら、かかってしまっている人を見つけたら

下図は熱中症の症状別対処法になります。

これからが夏本番です。熱中症にならないよう、予防を心掛けましょう。早寝・早起き・朝ごはんなど生活リズムを整えることも大事なことです。それでも、も し体調がきつくなった場合には、我慢せずに病院を受診しましょう。